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15話 不意に掴まれた服の裾

مؤلف: みみっく
last update آخر تحديث: 2025-10-22 12:34:33

「それより……あそこのお嬢様……レイニー様の彼女さんですか? にひひ……可愛いじゃないですか。うぉ……頬を赤くして、こちらを見てますよ!」

 別の兵士がからかうように言う。まさか……あのムスッとしたフィーが? レイニーは疑い半分でちらっと見学席の方を見たが、フィーはすぐにそっぽを向いてしまった。「うっ……騙された……」レイニーは思わず口元を緩ませた。

「からかわないでくださいよ〜」

 レイニーは苦笑しながら訓練を少し続け、休憩時間になり練習場を出ようとした時、ちょうどフィーとすれ違った。

「あら……王子様が兵士と練習ですか?」

 フィーの声には、微かな驚きが込められているように聞こえた。普通、王族は剣術の師匠に教わるものだと聞く。レイニーは第三王子であり、剣の才能がないと判断されていたらしく、師匠は付けられていなかった。頼めば付けてもらえるとは思うけれど。

「うん。楽しいよ〜」

 レイニーは屈託のない笑顔で答えた。

「そうなのですか。兵士とも仲良さそうにしているのですね」

 フィーはどこか落ち着かない様子で、もじもじしながら話す。普段のムスッとした表情はどこへやら、やや無表情ではあるものの、戸惑っているような雰囲気が伝わってくる。

「うん。仲良くしてるね。気を使わせちゃってるけど……最近じゃ、普通に話しかけてきてくれるし♪」

 レイニーがそう言うと、フィーは急に無言になってしまった。このまま巻き込まれるのは勘弁してほしい。

「……じゃ……またね♪」

 レイニーは可愛らしく手を振り、その場を立ち去ろうとした、その時だ。スッと、不意に服の裾を掴まれた。

「え……? 捕まった……」

 予期せぬ状況に、レイニーは内心で動揺した。「な、なにこれ……ねぇ……俺の護衛は?働いてよ……」そう言いたげな表情で護衛を見つめるが、彼らは目を逸らした。職務放棄か!?

「…………」

 フィーが俯き、ほとんど聞こえないような小声で何かを言っている。レイニーは顔を近づけ、聞き返した。

「ん? な、なに?」

「あの……一緒に……いて」

 その言葉に、レイニーは内心で叫んだ。「……なんで? 正直、嫌だっ! 絶対に……イヤだ! 気まずいし……無言だし、ムスッとするし」

「えっと……なんで?」

 思わず、ド直球な質問が口から飛び出した。

「なんでって……わたしの誘いを断る気なの?」

 フィーの視線が、わずかに鋭くなったように感じた。確かに友好国の王女様だが、こちらも王子で同じ立場のはずだ。断る権利はあるだろう。だが、露骨に嫌そうな態度で断れば、今後の外交問題に発展しかねない。

「あ、えっと……剣術の訓練もあるし、魔法の訓練もあるんだよね。忙しくてさぁ……」

 どうだ、これで穏便に断れただろうか。うん、きっと大丈夫だ。

「わたしの……誘いを断るなんて……ひどいっ」

 あれ? 失敗した? 「ヒドイ」と言われても、自分の都合も考えてほしいものだ。王女様ってどうしてこうワガママなのだろう。うちのルナちゃんを見習ってほしい。素直でいい子なのに。

「俺の都合も考えてくれないんだ? 自分の都合を押し付けるのは嫌われるよ?」

 対等な立場のはずだ。そう、自分は王子なのだから。

「……う、うん。そうね、わかったわ。わたしも参加するわ」

 おいおい……急にグイグイ来たぞ? なんでだ? これまで全く興味なさそうだったし、ずっとムスッとしていたじゃないか……レイニーは困惑の視線を宙に向けた。

♢魔法練習場への移動

 剣術の訓練をする予定だったが、フィーが服を離してくれないため、剣術はきっぱりと諦めるしかなかった。王女様が兵士の剣術練習に参加するのは、どう考えても無理がある。そこで、場所を王族専用の屋内魔法練習場へと移すことになった。

 ガードナー団長からは、一人での施設使用許可をもらっている。本当は、団長の許可だけでは使用できないはずなのだが、色々と融通を利かせてもらっているのだろう。

「んで、フィーは魔法に興味ないんじゃないの?」

 立場が逆転し、今度はレイニーのほうがムスッとした表情で問いかけた。内心では、「何が目的だ?」という疑念が渦巻いていた。

 フィーは、予想外のレイニーの態度に一瞬たじろぎ、言葉を探すように視線を彷徨わせた。

「……えっと……その……魔法に興味がでたの! 文句ある? おしえてよ! 得意なんですよね!?」

 まさかの逆ギレに、レイニーは呆れたように眉をひそめた。

「むぅ……その言い方、きらーい。ムスッとした言い方で教えてとか言わないでしょ〜」

 仕方なさそうに、だがぴしゃりと言い放つ。フィーは、レイニーの言葉にぐっと唇を噛みしめ、深呼吸をして言い直した。

「あ、うん。そうね……教えてくださるかしら、レイくん」

 その言葉を聞き、レイニーは驚きを隠せない。「めっちゃプライドが高そうで、ワガママで周りに興味がなさそうなのに。なんで?」と、疑問符が頭の中に飛び交った。

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